「多佳子忌」は俳人橋本多佳子の忌日で、5月29日。1963年のこの日、64歳で亡くなった。杉田久女や山口誓子に師事し、戦後俳誌『天狼』の重要同人として活躍した女流俳人。
掲句は、橋本多佳子の句風の一面が、折から皮を脱いでいく若竹の緑色の肌の瑞々しさ、靭さに通うものがあると感じての作品。多佳子の句風は、生と死に向き合う厳しい眼差しと、女性の官能や生命力を鮮烈に表現した情熱的な作風と評されることが多いが、私は、その鮮烈さの中に、芯の通った男性的な強さを感じてきた。その長年の印象が掲句に結び付いたのだと思う。令和8年作。