山霊に溶けまた離れほととぎす

「時鳥(ほととぎす)」は初夏に南方から日本へ渡ってくるカッコウ目の夏鳥。「杜鵑」、「不如帰」、「子規」などとも表記する。その鳴き声が田植えの時期を知らせる〈時を告げる鳥〉であったことからこの漢字が当てられたという。

掲句は、狭山丘陵の端に位置する久米水天宮の森で、明け方、この鳥の声を聞き留めての作。南の国から日本へ渡ってきた時鳥は、5、6月にかけての繁殖期に最も活発に鳴く。昼間だけでなく、夜間や早暁の頃鳴くことも多い。「山霊(さんれい)」は、山に宿るとされる神や精霊のこと。緑滴る山中に鳴く時鳥の、どこか現実離れのした声を聞いていて思い浮かんだ言葉である。「令和8年作。

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