水音のひびく茅の輪をくぐりけり

「茅の輪(ちのわ)」は茅(かや)を束ねて大きな輪にしたもの。陰暦6月末に行われる夏越の祓(なごしのはらえ)の神事で用いられ、その輪をくぐることで無病息災や厄払いを願う。

掲句は、6月下旬に訪れた江ノ島の江島神社での作品。辺津宮(へつみや)までの百段ほどの石段を登り切ると、境内には茅の輪が設けられてあった。石段を登るときも、茅の輪をくぐるときも、岩礁に打ち寄せる波のひびきが背を離れなかった。その時の情景は以上のとおりだが、句の中では説明を省略して「水音」とだけ表現し、あとは読者の想像に任せることにした。平成17年作。『春霙』所収。

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