野晒しの客車一輛行々子

「行々子(ぎょうぎょうし)」は葭切(よしきり)の異名。川辺の葦(よし)の茂みにとまり、暑い最中にギョギョシ、ギョギョシとけたたましく鳴く。

掲句には、「青森 四句」との前書きを付けた。青森に出張した際に、朝の散歩の時に目にした光景が契機になっている。駅前のビジネスホテルから歩いてすぐのところに、かつて青函連絡船に貨車や旅客を繋ぐために使用されていた線路や客車などが、使用されなくなった後も草叢の中に残されていた。その日の暑さを予告するかのように、「行々子」が朝から頻りに鳴いていた。平成19年作。『春霙』所収。

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