鰹(かつお)は春に黒潮に乗って太平洋を北上し、若葉の頃伊豆、房総沖に到達する。その頃に獲れる鰹が「初鰹」。脂が少なくさっぱりとした初夏の味覚であり、初物としての特別感がある。
掲句には、他の5句とともに「築地 六句」との前書きをつけた。早朝の築地場外市場で見かけた光景が契機になった作品。競り落とされたばかりの、ぷりぷりした新鮮な鰹が、無造作にトロ箱に詰め込まれ、運ばれていくところであった。「きしきし」の擬音語が、魚市場の朝の活気と季節感を写し得ていれば幸いだ。平成20年作。『春霙』所収。
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