まみどりの茎しなやかに擬宝珠咲く

擬宝珠(ぎぼうし)は山野に自生するユリ科の多年草。6〜8月頃に、白や薄紫色の涼し気な花を咲かせる。つぼみの形が、橋の欄干などにある伝統的な装飾「擬宝珠(ぎぼし)」に似ていることからこの名がある。

掲句は、八ヶ岳東麓の野辺山高原に滞在中、擬宝珠の「まみどりの茎」に目をとめて詠んだ作品。原種の擬宝珠が林中のあちこちに咲き始めていた。野趣ある花の風情もいいが、その時は、株の中心から直立する緑色の茎に目が引き寄せられ、手で触れて感触を確かめた。茎のしなやかな勁さのうちに、擬宝珠の命が宿っているように思えた。平成19年作。『春霙』所収。

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