花栗やひと日過ぐればひと日老ゆ

「栗の花」は、梅雨の時期に木を覆うように淡黄白色の長い花穂を垂らし、独特の青臭い匂いを放つ。その強烈な匂いでハエやアブなどの昆虫を惹きつけ、受粉を行うとされる。

掲句は、栗の花の匂いの中にあって、老いということを意識しての作品。咲き盛るときは、界隈を覆い尽くすほどの栗の花の強い匂いは、私を含めた生き物の生を意識させるとともに、その表裏をなす老病死ということにも思いは及ぶ。これから日一日と老いていくであろう私自身のことを思った。折から、地上の生き物たちの活動が一年中で最も盛んになる季節である。平成21年作。『春霙』所収。

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