青鵐鳴く日照雨の幹の照り返し

「蒿雀(あおじ)」は、ホオジロ科の小鳥。「青鵐」とも表記する。日本国内を季節ごとに移動する漂鳥(ひょうちょう)で、夏の繁殖期には本州中部以北や北海道の林に棲む。背は緑褐色、腹は黄色で黒い斑点がある。

掲句は、八ヶ岳東麓の野辺山高原での作。山の天気は変化が激しく、晴れていたかと思うと、たちまち雲が群がって雨を降らせたりする。その時は、雑木林を日照雨(そばえ)が過ぎていった後、青鵐のゆっくりとしたテンポの澄んだ声が、白樺や水楢の梢から聞こえてきた。雨に濡れた幹が、夕日を受けて照り輝いていた。なお、日照雨は、晴れているのに雨が降る天気雨のこと。平成19年作。『春霙』所収。

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