「初東風(はつごち)」は、年が明けてから初めて吹く、春の気配を運ぶ東風のこと。この時季、実際にはまだ冷たい風であることが多いが、冬の終わりの気配も感じさせる。西高東低の冬型の気圧配置が崩れたときに吹くことが多い。
掲句は、年明けに妻の実家の墓参りをしたときの作品。花屋で買い求めた花の束を分けて、実家の墓前のほか、少し離れた分家の叔父などの墓前にも供えた。一歩ずつ春が近づいてくることを思わせる日差しと柔らかい風のせいか、その時吹いていた風が「初東風」だったのかどうかはともかく、「初東風」の中にいる気分だった。令和8年作。