廣瀬直人の一句(35)

しみじみと大樹ありけり更衣 直人

「更衣(ころもがえ)」は、夏になって冬服から夏服へ衣類を替えること。旧暦4月1日に宮中で行われていた儀式に由来する。秋(10月〜11月頃)の冬物への衣替えは「後の更衣」という。

掲句は、夏服に替えて身も心も軽くなり、身近にある大樹に改めて親しみを感じているとの句意。「しみじみ」は深く心に沁みて感ずることで、作者と大樹との深い縁を感じさせる措辞。故郷の地に根づき、作者と風土をともにする大樹への共感の思いが感じられる。昭和56年作。『朝の川』所収。

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