廣瀬直人の一句(33)

言葉待ちつつ涼しさの中にゐる 直人

「涼し」は夏の暑さの最中に思いがけず覚える心地よい涼しさのこと。暑いからこそ、ひと筋の涼気を一層ありがたく感じる。

掲句には「北海道雲母の会(三句)」との前書きがある。普段は誌上でのつながりしかない「雲母」の会員たちとの交友を深める場である。初対面の会員たちと、旧知の仲のような親しみを覚えて言葉を交わしている作者の姿が彷彿する。俳縁を通じた交友の涼しさが、さらりと表現されていて、捨て難い味わいがある。昭和52年作。『朝の川』所収。

,

コメントを残す