廣瀬直人の一句(25)

稜線に青空の帯別れ霜 直人

「別れ霜」は、春が深まった頃、その冬の最後に降りる霜のこと。古来、立春から数えて八十八夜(5月2日頃)頃に最後の霜が降りるとされ、「八十八夜の別れ霜」と言われる。果樹園や茶園を営む農家が恐れる霜である。

掲句は、「別れ霜」の降りた朝、山の端に沿う青空の帯を眺めての作品。写実に徹した句柄だが、果樹栽培をしてきた人の目と心が、この季語の選択に活きている。葡萄や桃がいよいよ新芽を広げようとする頃であり、この時季の霜は果樹の生育にとって大敵なのだ。平成23年作。『風の空』以後。

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