白菜の透きとほるまで読みふける 松下カロ

白菜は代表的な冬野菜。霜に当たると甘みが増すため、鍋料理や漬物など冬の料理に広く使われる。明治時代に中国から伝来した。

掲句は白菜を入れた鍋や煮物が煮えるまで、傍らで本を読みふけっている情景を詠む。独りの食事の準備の手すきに、本を披いているのだろう。入れたときには真っ白だった白菜が、いつしか煮えて透きとおっていた。煮えるのを楽しみにしながらも、時間を忘れて本の世界に没入しているのだ。鍋料理などの湯気や匂いの中での、独りで過ごす時間の充実感が、そこには感じられる。『俳壇』2026年4月号。


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