潮風にほどけて長き春ショール 鈴木沙恵子

「春ショール」は春先のまだ少し寒さが残る時期に、防寒やお洒落を兼ねて肩に羽織る、薄手のウールやシルク素材のショールのこと。冬の厚手のショールとは異なり、軽やかで明るい色彩が春の訪れを感じさせる。

掲句は、潮風に解けて靡く「春ショール」を詠む。春になって日差しの力は増したが、依然として冷たい風が吹いている砂浜を想像したい。折からの風で肩を包んでいる「春ショール」が飛ばされそうになるのを手で押さえているのだろう。「春ショール」は、惜し気もなく周りに明るい春の色合いを撒き散らしているのだ。『俳句界』2026年3月号。


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