「樏(かんじき)」は、雪深い道や野を歩くとき、足の埋没を防ぐために雪沓の下に履くもの。雪国の生活道具である。
掲句は、「湖国」への旅吟。「湖国」は琵琶湖を擁する滋賀県のこと。旅中に目に触れた景物の中で、干してある「樏」だけに焦点を絞ったところに、詩眼の冴えが見える。行きずりの道沿いの人家に「樏」が2足干してあったという、ただそれだけの簡潔な描写から、琵琶湖の北岸地域での、雪深い夫婦二人の慎ましい生活ぶりが浮かび上がってくる。『俳句四季』2026年3月号。
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