誰からも遠く憩へば草青む

「草青む」は春さきに萌え出た草が青々としてくること。野や畦、土手などが匂い立つような草で覆われる。冬枯れの景色から一変し、春の暖かさで野山の草々が日ごとに青みを増していく。

掲句は、誰にも打ち明けられずに心に憂悶を抱えていた時期の作品。春が深まり、大地が萌え出た草々に覆われていくにつれて、独り胸に抱えている悩みが深まっていくように思われた。やや抽象的な内容なので、「草青む」が据わっているかどうかが一句の決め手だと思っている。平成21年作。『春霙』所収。

,

コメントを残す