「雲雀東風(ひばりこち)」は雲雀(ひばり)が空高く舞い上がって鳴く頃に吹く東風(こち)のこと。太平洋から大陸へ吹く東風は春を告げる風であり、その時期に咲く花や動物の名を冠して「梅東風(うめごち)」「桜東風(さくらごち)」などともいう。
掲句は、野辺山高原のとある牧場風景。広いエリアに放し飼いされた牛たちが、ひと夏をのびのびと過ごしていた。親牛たちは草を食むのに余念なく、その傍らで、角が生える前の仔牛たちが頭を突き合わせてじゃれ合っていた。人と同様、仔牛にも遊び盛りの時期があるのだろう。平成20年作。『春霙』所収。