雄同士飼はれて永し冬日和 下坂速穂

「冬日和(ふゆびより)」は、本格的な冬の寒さの中で訪れる穏やかな晴天のこと。小春日が初冬の季語であるのに対し冬日和は仲冬の季語。

掲句から、私は、檻にニワトリの雄ばかりが飼われている場面を想像したが、ニワトリに限定して観賞する必要はないだろう。いずれにしても、永年籠や檻に入れて飼っている動物が雄ばかりだという。飼い始めは雄雌の番いだったのが、何らかの事情で雄ばかりが生き残るといった状況だろうか。人間の都合でそうした状況に置かれた動物たちは、不満があっても、与えられた環境に合わせて仲良く生きていくしかない。そんな動物たちを「冬日和」の暖かな日差しが柔らかく包む。『俳句四季』2026年2月号。


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