「ヒヤシンス」はアジア原産のユリ科の球根性多年草。晩春の頃、葉の中央に茎が直立し、吊鐘形の小花を総花状に咲かせる。花壇や鉢に植えたり、水栽培にする。
掲句は眼前の「ヒヤシンス」から、脈診(みゃくしん)の指の硬さを思ったとの句意。脈診は、手首の動脈の拍動を、指で押さえながら診察することで、洋の東西を問わず行われている。かつて医師から受けた脈診の記憶は、指先の硬さ冷たさとして、作者の心に刻み込まれていたのだ。眼前の「ヒヤシンス」のまだ咲き始めの硬い印象を脈診に結び付けたのは、作者の柔軟な詩心の賜物。『俳壇』2026年2月号。