歯刷子を斜めに咥へ三鬼の忌 馬場公江

「三鬼忌」は俳人西東三鬼(さいとうさんき)の忌日で、4月1日。岡山県に生まれ、新興俳句の旗手として活躍した。1962年のこの日61歳で逝去。

掲句は歯刷子(はぶらし)をパイプのように斜めに咥えるという日常の動作を「三鬼の忌」に結び付けた作品。三鬼のバタ臭くダンディな風貌には、葉巻を燻らしているところがよく似合う。作者は、朝、歯刷子を斜めに咥えたとき、ふと、かつて写真で見た三鬼の風貌を思い浮かべたのだろう。作品の契機は、日常の些事の中にあることを改めて認識させられる。『俳壇』2026年2月号。


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