「初晴(はつばれ)」は元日の晴天のこと。年が改まって早々の澄んだ空と輝く日差し。五穀豊穣をもたらす吉兆として喜ばれる。
掲句は、元日の朝の清々しい「初晴」の空を仰ぎながら、晴女だった亡き母を思い起こしているとの句意。「母のやうなる初晴」との措辞から、母の人となりも見えてくる。よき年を迎えた晴れ晴れとした思いとともに、新たな年が歩み始める。胸中の母もともに歩んでいるのだろう。『俳句』2026年1月号。
kknmsgr
Δ