「正月」は一般的には1月1日から7日までの松の内を指すが、地域によっては15日の小正月までを正月と呼ぶこともある。松飾を立て、鏡餅を飾り、雑煮を食べて一年の無病息災を願う。
掲句は、新年を迎えて改まったように見える人の顔を詠む。「大年(おおとし)」は大晦日こと。「大年」から一夜経て「正月」になる。人の顔は一晩で変わるものではないが、「正月」の風景の中で眺めると、自他を含め、誰もがいかにも「正月」らしい顔になっているのだ。単明な表現だが、単刀直入な「顔」のリフレインにこの句の味わいがある。『俳句四季』2026年1月号。