鬼柚子の悪相をもて厄払 正木ゆう子

「厄払(やくばらい)」は節分の夜、厄年の人が社寺などに参詣して厄を落とすこと。神仏に祈って、厄年にありがちとされる厄難(やくなん)を払い落とす儀式を行う。櫛や褌をわざと落としたり、自分の干支を書いた護摩を神社で焚いてもらったりする。

掲句は、「厄払」の祭壇に供えられていた鬼柚子を詠んだ作品。境内などに生っている鬼柚子でもいい。ともかく、その鬼柚子を悪相と捉えたことが、この句のポイント。鬼柚子は獅子柚子ともいい、その大きな見た目や名前から、邪気を払う縁起物として古くから親しまれている。そのごつごつとした見た目は、禅僧のいかつい容貌を思わせ、いかにも邪気を払ってくれそうだ。『俳壇』2026年1月号。


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