「うそ寒」は、秋半ばから晩秋にかけて感じるうっすらとした寒さのこと。なんとなく感じる寒さや、心細さを伴う寒さを表す。
掲句は、秋の夜更けに「うそ寒」を感じながら独り厨房に立つ男性の、厨房での一コマ。あら汁は、魚の頭や骨などのアラを利用した汁物のこと。魚の臭みを消して風味を増すために、料理酒を使うことが折々あるが、作者は、たまたま手元にあったコップ酒を使ったのである。そこに男性料理特有の豪快な趣がある。『俳壇』2025年12月号。
kknmsgr
Δ