食パンのやうな白さの新社員 千野千佳

「新社員」は新しく企業に入社した社員のこと。近年は転職する人も多いが、学校を卒業したばかりの、希望と不安を抱いて入社してくる初々しい「新社員」を思い浮かべたい。

掲句は4月頃街中で見かける「新社員」を詠んだ作品。「新社員」を「食パンのやうな白さ」と形容したところに、現代の若者に向けられた作者の辛口の眼が感じられる。ふわふわした白い食パンは、確かに見た目清潔感があり食べやすいが、全粒粉の小麦色をしたパンに比べて栄養価は乏しく食べ応えがない。そんな若者観を秘めた形容だと思う。おそらくは見たまま感じたままの即吟だろうが、この形容には作者の批評眼と鮮度のいい感性が活きている。『俳句』2025年11月号。


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