星々の座移りしたり去年今年 岸原邦代

「去年今年」は大晦日から元日にかけて去年と今年が入れ替わること。年がすでに改まった新年の季語である。一夜にして年が改まる時の流れの迅速さに対する感慨がこめられている言葉。

掲句は年が改まった元日の未明に頭上の星々を仰いでの作品。星々は一見静止しているように見えながら、刻々と西の方へ「座移り」していく。「座移り」の「座」は星座の「座」であるが、より一般的に、それぞれの星が夜空に占める位置という程の意味だろう。「座移り」という措辞の簡潔なひびきは、新たな年に向けた作者の引き締まった前向きな思いを感じさせる。『俳句四季』2025年11月号。


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