「冬」は四季のひとつ。立冬(11月8日頃)から立春前日(2月3日頃)までの期間。陽暦ではおおむね12月・1月・2月を指す。『古今和歌集』の時代から、「冬」は枯れきった淋しさを本意として詠まれてきた。
掲句は父亡き後の和室の床柱(とこばしら)に目をとめての作品。床柱は、和室にある床の間の脇に立てられる化粧柱のこと。しんと静まったその柱に目をとめたとき、改めて父の不在が意識された。死は人を生者とは別の世に連れ去ってしまう。「冬」という季語が活きている。『俳句界』2025年10月号。
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