「邯鄲(かんたん)」はコオロギ科に属する体長1.5センチメートルほどの昆虫。寒地や高冷地に多く生息し、体は細長く、淡い黄緑色をしている。主に夜、ルルルルルルルルと連続して鳴く。
掲句は高原の一夜、「邯鄲」の細く澄み透る声に耳を澄ましていると、「邯鄲」の身も細っていくように感じられたとの句意。作者は、実際に「邯鄲」の姿を目にしている訳ではないが、「身の細りゆき」と視覚的に表現したことで、秋が深まる頃の「邯鄲」のひとすじの声が聞こえてくるところがいい。『俳句四季』2025年10月号。
kknmsgr
Δ