弦月を仰ぎおわらの声絞る 朝妻力

風の盆は富山県富山市八尾町で毎年9月1日から3日にかけて行なわれる行事。胡弓や三味線などを奏で、民謡越中おわら節にあわせて町の人たちが夜を徹して唄い踊る。

掲句は旅行者の一人として風の盆の踊りに加わっての作だろう。踊りつつ空を仰いだとき、ほっそりした弦月(げんげつ)が目に入ったのだ。風の盆という人の営みの最中にも、刻々と季節は移ろい、弦月は澄みを加えてゆく。なお、弦月は半分が欠け残っている月のこと。『俳壇』2025年10月号。


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