甲斐駒ケ岳の肩にのらんと大西日 高室有子 

「西日」は西の空に傾いた太陽、又はその光のこと。四季を通してみられるが、とりわけ真夏の午後の日射しは強烈で、夕方になっても衰えず、家の内外を容赦なく照らす。

掲句は甲斐駒ケ岳(かいこま)の肩の辺りを染めている西日を詠む。甲斐駒ケ岳は峻険な山容をもち、半ば独立峰のような姿で聳え立つ南アルプス北端の山。作者の郷土を代表する名山だ。いつもこの山を南西に仰いで暮らす日常の目が捉えた山の姿であろう。「のらんと」との擬人化表現が、この山に対する親しみを表している。『郭公』2025年8月号。


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