「十三夜」は旧暦9月13日の夜、又はその夜の月のこと。旧暦8月15日の夜は望月を愛でるが、秋もいよいよ深まったこの夜は、満月の二夜前の欠けた月を愛でる。この秋最後の月であることから「名残の月」ともいう。
掲句は「校了」した旨の短いメールを受け取った夜、折りからの十三夜の澄んだ月光に自らを解き放っているとの句意。「校了」は校正終了の意。校了により編集作業は終わり、印刷工程に移ってゆく。俳句雑誌の編集部員としての日常の一コマだろうか。『俳壇』2025年9月号。
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