鶯や高嶺は雪を新たにす

「鶯(うぐいす)」はスズメ目ウグイス科ウグイス属の留鳥。全国の山地の明るい笹藪などに生息する。春先は覚束なかった鳴き声も、春が深まるにつれて美しくなる。

掲句は高嶺が新雪を被った朝の情景を詠んだもの。晩春初夏の頃、山麓や山腹に雨が降ると、山頂辺りが雪になることはよくあることだが、その朝雨上がりに戸外に出たときも、赤岳などの八ヶ岳連峰は目の覚めるような新雪を被り、折りからの日の出を受けて朱鷺色(ときいろ)に染まっていた。昨日までの残雪に、さらに雪が降り重なったことが遠見にも分かった。令和7年作。

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