初夏から梅雨入り前にかけて、大麦、小麦、裸麦、ライ麦、燕麦(えんばく)などの熟れた麦を刈り取る作業。刈り取った麦を干して乾燥させるため晴れた日が選ばれる。梅雨の前の強い日差しの中での作業である。昔は鎌を用いた手作業だったが、今は稲・麦兼用の自脱型コンバインで収穫されることが多い。刈り取ったものを脱穀するのが「麦扱(むぎこき)」、扱き落とした麦の穂から実を落とすのが「麦打」。実を取り去ったあとの「麦稈(むぎがら)」は、麦藁帽子など色々な細工・用途に使われる。

初夏から梅雨入り前にかけて、大麦、小麦、裸麦、ライ麦、燕麦(えんばく)などの熟れた麦を刈り取る作業。刈り取った麦を干して乾燥させるため晴れた日が選ばれる。梅雨の前の強い日差しの中での作業である。昔は鎌を用いた手作業だったが、今は稲・麦兼用の自脱型コンバインで収穫されることが多い。刈り取ったものを脱穀するのが「麦扱(むぎこき)」、扱き落とした麦の穂から実を落とすのが「麦打」。実を取り去ったあとの「麦稈(むぎがら)」は、麦藁帽子など色々な細工・用途に使われる。

麻を使った夏に着る洋服のこと。「夏服」の傍題。麻は長くて強い繊維が取れる植物の総称で、苧麻(ちょま)や亜麻(あま)などが使われる。さらりと心地よく着られる夏季に相応しい素材。

「桜隠し」は桜の咲く頃に降る季節外れの雪のこと。桜を降り隠すように降りつつむ雪であり、桜の花房の上に凭れかかるように降り積もる水気の多い雪が想像される。もともとは新潟県や東北地方を中心とする雪国の方言であり、雪国に住む人々の風土感と春を待ち望む心が託されている言葉である。限られた地域で通用してきたいわゆる地貌季語の一つだが、
可惜夜の桜かくしとなりにけり 齋藤美規
などの佳句の積み重ねにより、1990年代以降歳時記に掲載されるようになった。「春の雪」の傍題として掲載されていることが多い。地域限定のローカルな言葉が俳句に詠まれることにより全国化していった一例だろう。
関東地方でも、桜の咲く3月下旬以降に時ならぬ大雪に見舞われることがあり、「桜隠し」の情景を目にすることがある。今後チャレンジしてみたい季語である。
「トマト」(夏季)は南米原産のナス科の一年草。日本へは江戸時代に導入され、夏野菜として広く栽培されている。初夏の頃星形の黄花を咲かせる。花が咲き終わると青い実をつけ、上の方から熟して赤くなっていく。なお、「トマトの花」は歳時記には掲載されていない。
