「乗込鮒(のっこみぶな)」は春になって水温が上がり、産卵のため小川や水田に群れをなして勢いよく乗り込んでくる鮒のこと。
掲句は鮒の乗っ込みのさまを、水の照り返す光に焦点を当てて生き生きと詠む。自ずから、水蒸気でけぶったような春の田園風景が目に広がる。「散らかす」との上五がいい。通常は人の日常生活に関して使われるごくありふれた言葉だが、水の光の形容として用いられると、句の中で新鮮な響きをもつ。『俳壇』2025年7月号。
kknmsgr
Δ