蜥蜴出て全身で風感じをり

「蜥蜴(とかげ)」はトカゲ亜目に属する爬虫類の総称。肌はぬれて光沢があり、青や緑の縞模様がある。春先、冬眠から覚めた蜥蜴が穴を出て動き出すことを「蜥蜴穴を出る」「蜥蜴出づ」などという。

掲句は吹き溜まった枯葉の中に、春先、蜥蜴を見かけての作品。冬の間姿を見せなかった蜥蜴が人の目に触れるようになるのも、春の到来を知らせるものの一つだ。まだまだ冷たい風が木や枯葉を鳴らしていた。視線に敏感な蜥蜴は、ちらっと姿を現しただけで、たちまち枯葉の底に潜り込んでしまった。令和7年作。

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