「初蝶」は春になって初めて目にする蝶のこと。春先、萌え始めた草木の中に、紋白蝶など比較的小ぶりな蝶を目にすることが多い。
掲句からは、箱根の彫刻の森美術館のように、彫刻作品が屋外に展示されている光景を思い浮かべたい。胴体部分のみからなるトルソーに不意に初蝶が近づいてきた。辺りに満ちる春の麗らかな日差しの中で、蝶も、真っ白なトルソーの肩の丸みに親しみを覚えたのかも知れない。「初蝶」とトルソーの取り合わせが新鮮だ。『俳句界』2025年6月号。
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