「夜長(よなが)」は秋の夜の長いことをいう。秋分が過ぎると、昼よりも夜が長くなり、夜の長さが身にしみる季節になる。
掲句は身近な人を介護している作者自身を詠んだ作品。昼間から続いた看取りも、看取る相手が眠りにつけば一段落。ここからは自分の自由な時間になる。ほっと一息つく安堵感と解放感。それが介護を担う人の偽らざる実感だろうと思う。ほっと漏らした独り言のような思いの正直な表出が、この句を味わい深いものにしている。『俳句界』2025年5月号。
kknmsgr
Δ