「春の霜」は春になって降りる霜のこと。立春を過ぎてもまだまだ寒
さが厳しく、関東の平野部では4月下旬になっても霜が降りることがある。
掲句は終生生まれた地を離れないであろう私自身を振り返っての作品。「生国(しょうごく)」は生まれた故郷のこと。若い頃は意図的に遠方の大学を受験したり、親元を離れて下宿生活をしたりしたが、今の私は、生まれた地に住み続けてこのまま老いていくことに、心の平安を感じている。『郭公』の井上主宰には、「・・幸なことに生まれた地に日々を暮らし、生涯を終えることになりそうだと、思い定めたのだろう。「春の霜」という季語は作者のそういった思いを呼び起こすかのようである。」と鑑賞していただいた。令和7年作。