新樹光眼鏡外して本題に 森雅紀

「新樹」は若葉におおわれる初夏の木立。みずみずしい新樹の放つ光が「新樹光」。夏の到来を思わせる命のかがやきだ。

掲句は、新樹のみずみずしい光が四囲を明るくするような季節に、会議室で会議が進められている場面。「眼鏡外して本題に」というのは齢を重ねた人の日常の自然な動作。それをさり気なく詠み込んで味わいのある一句になった。窓外の「新樹光」と室内の鹿爪らしい会議の対照が鮮やかだ。『俳句四季』2025年5月号。


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