雪を掻く土の香の立つところまで 名村早智子

「雪掻(ゆきかき)」はシャベルやこすきなどを使って積もった雪を掻きのけること。今は除雪車などで広い範囲の除雪が出来るようになったが、路地や庭先などの「雪掻」の作業は雪国では日常的に行われている。

掲句は冬季の「雪掻」を詠んだ作品。シャベルが雪の底の土にとどいたとき、さっと懐かしい土の匂いがしたという。それは雪に埋もれて暮らす人々にとって、春がそこまで来ていることを思わせる匂いだろう。雪国人の生活実感が過不足なく詠み込まれている。『俳壇』2025年5月号。


コメントを残す