雨水とて夜もみづみづし指の先 高室有子

「雨水」は二十四節気のひとつ。立春の後15日で、2月20日頃。降る雪が雨へと変わり、山に積もった雪もゆっくりと解け出して田畑を潤す。草木の芽生えが始まり農耕の備えを始める目安でもある。

掲句は「雨水」の夜、自らの指先の瑞々しさに季節の推移を感じ取っての作品。「雨水」といっても相変わらず朝晩の寒さは厳しく、季節の歩みはごくゆっくりなのだが、夜、ふと目をとめた指先に、冬の頃とは違う潤いを感じたのだ。「雨水とて」の上五が、日常の一日一日を丁寧に過ごそうとする作者の心ばえが見える。『俳句』2025年4月号。


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