「七草」は1月7日の人日の節句のこと。また、この日、邪気を祓うために粥や雑炊に炊き込んで食べる春の七草のこと。芹、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)をいう。
掲句は七草を水に浸したところを詠んだ作品。ひと塊だった七草が水の中でほぐれて、それぞれの色合いに浮かび上がるさまが、鮮やかに目に見えてくる。厨に立つ作者の一瞬の驚きには、穏やかな新年を迎えた晴れ晴れとした思いも交っているのだろう。採れたての野菜のような鮮度のよさが感じられる一句。『俳句四季』2025年4月号。