箏爪の軽さを拾ふ春の宵 半田よし

春の宵は、春の日が暮れて間もないころのこと。中々暮れなかった窓の外にも、漸く闇が下りてくる。どことなく華やぎがあり、心豊かな一刻。

掲句は落ちていた「箏爪(ことづめ)」を拾ったときの思わぬ軽さを詠んだ作品。その驚きは、日々箏を鳴らしている作者にとっても小さな発見だったのだ。「箏爪」は指にはめて絃をはじく爪形の道具のこと。箏の稽古が終わった後のひと間の静かさやほっとした気分が「春の宵」の一刻を一層貴重なものにしているようだ。『俳句界』2025年3月号。


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