「春雷(しゅんらい)」は立春以降発生する雷のこと。日本列島やその沿岸を通過する低気圧の寒冷前線付近に積乱雲が発達して雷を起こす。
掲句は近くの神社の鳥居に掛かっている藁の大蛇(おろち)を詠んだもの。毎年大晦日の夜には、大蛇に模した藁縄を鳥居に飾る「若〆神事」が行われる。翌朝は、新しい藁縄の匂いを嗅ぎながら新年の願いごとをする。昔、境内の御神木に白蛇が棲み、これを見た参詣の人や境内で遊ぶ子供が原因不明の高熱や病に罹るため、毎年新しくお姿を作り替えお祭りするので災のないようにお願いしたところ、現われなくなったとの言伝えがあるという。近年失われつつあるこうした身近な土俗的行事もできる限り句に詠んでいきたいと思っている。令和2年作。


