一月は一年のはじめの月。寒さがもっとも厳しい時季である。年が改まって各地で行われる華やかな行事も多い。
掲句は一月の頭上を飛ぶ長元坊に、新年を迎えた作者の決意を覗かせた作。長元坊はハヤブサ目ハヤブサ科の猛禽。繁殖期である夏に観察される個体もあるが、主に冬鳥として日本各地に渡来する。年改まって間もないきりりと澄んだ青空を悠然と飛翔する長元坊。それを仰ぐ作者の晴れやかな詩心と俳句に向ける志が感じ取れる。〈一月の川一月の谷の中 龍太〉の作が作者の胸中にはあっただろう。『俳句』2025年2月号。
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