寒すばる光ふれあふ音降り来  檜山哲彦

「すばる」は冬の夜空を飾る牡牛座の中のプレアデス星団の和名。宵の空にいち早くのぼり、6、7個の星のかたまりが天頂近くに仰がれる。「寒昴」「昴宿(ぼうしゅく)」「六連星(むつれぼし)」とも呼ばれる。

掲句は「寒すばる」の星々の光が触れ合い、音として降ってくるという。「音」と言いながらも騒がしさはなく、しんと冴えわたる天空の星々が見えてくるところがいい。星の光を音と感受するところに作者の詩心の純粋さが感じられる。『NHK俳句』2024年12月号。


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