「夜寒」は晩秋の頃、日中感じられなかった寒さが、夜になって感じられること。
掲句は、朝晩の寒さを感じ出す晩秋の頃の都会生活の一場面を切り取った。秋が深まってくると、夜の訪れが早くなり、暗い家路を辿ることが増えてくる。「ヘッドライトを顔に浴び」には、夜道を来て、不意に自動車のヘッドライトに照らし出された驚きが表れている。そのヘッドライトの鋭利な光は、冬が直ぐそこまで来ていることを思わせる。『俳句』2024年12月号。
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