シベリア南部原産のタデ科の多年草。和名は「食用大王(しょくようだいおう)」。18世紀頃からイギリスで食用栽培されてきた。地面から伸びる多肉質の葉柄を食用とする。特有の香りと酸味があり、ジャムなどの材料になる。収穫は植え付けた翌年の夏。

「オリオン」は代表的な冬の星座。ギリシア神話の巨人狩人オリオンの名に由来する。赤色のベテルギウス、青白色のリゲル、二つの1等星を対角に大きな四辺形を形成する。また、オリオンの腰の帯を示す三つの星は誰にでも見つけることができる。
掲句はオリオンの四辺形の「盾(たて)」が吹き澄む夜空に冬の到来を感じてできた作品。関東平野を乾いた風が吹きわたると、夜空に沢山の星がまたたく。未明の頃、オリオンはやや西に傾いた位置にかかり、その南にはシリウスが青白い光を放つ。関東平野にもとうとう冬がやってきたのだ。ただし、この句の主季語は「冬に入る」。令和4年作。
サバ科マグロ属の硬骨魚。マグロ(ホンマグロ、クロマグロ)、メバチ、キハダ、ビンナガ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロなどがある。それぞれ外形も肉質もかなり異なる。かつてはマグロといえばホンマグロを指し、ホンマグロの近海物は、冬場に日本の沿岸に近づいて来るのを定置網で獲ったり、鮪船で追いかけ銛で突いたりして獲っていたので、遠洋物が主流になり通年味わえるようになった現在でも冬の季語に分類されている。正月の魚市場の初競りで目玉になるのは近海物のホンマグロ。

欅、銀杏、櫟など、一般によく知られた落葉樹が葉を落としきって枯木となることを「名の木枯る」というが、それぞれの木の名前を冠して「梅枯る」「欅枯る」などという場合が多い。梅は晩秋から初冬にかけて葉を落として枯れる。枯れると梅の幹や枝の直線的で剛毅な趣が現れる。

「酢橘(すだち)」はミカン科ユズ類の常緑低木で、秋に黄熟する実は酸味が強いが、独特の風味を持つ。徳島の特産品。
掲句は所用で愛媛の松山に一泊したときの作品。所用の合い間に子規記念博物館で正岡子規の直筆原稿や書簡などを見、ホテルの近くの料理屋で独り鍋物を食べた。鍋物に青々とした酢橘が添えられてあった。俳句に関わる人間にとって、子規の出身地である松山は特別な地だ。平成15年作。『河岸段丘』所収。