小禽の影くりくりと日向ぼこ 石田郷子

「日向ぼこ」は日だまりでじっと動かず暖まること。風のない日だまりでの冬の愉しみであり、家の内外は問わない。

掲句は縁側などで日向ぼこをしていると、傍らの日向や藪の中に「小禽(しょうきん)」の影が動いたという。「小禽」は雀などの小さい鳥のことで、「くりくり」との擬態語が、鳥の小さな頭の可愛げな動きを彷彿させる。冬は雀や鵯などの小鳥が人の生活の近くに姿を現す季節。日向ぼこは、それらの「小禽」とともに太陽の恵みに浴する至福の時間だ。『俳句』2024年12月号。


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