蝦夷鹿の目と会う会話するやうに 田湯岬

鹿はシカ科の哺乳動物。北海道に棲息する蝦夷鹿は日本鹿の中でも最も大形。草食性で昼夜の別なく行動する。鳴き声がよく聞かれる秋が繁殖期。

山野を歩いていて、少し離れたところに野生の鹿を見かけることがある。ピタッと静止して振り向いた鹿の目には、警戒心と好奇心が表れる。こちらが動き出さなければ、鹿の方でもいつまでもこちらを見つめて立っている。しばらく経つと鹿は警戒心を少し緩めて近くの草を食んだりし始める。掲句は以上のような人と鹿の交流を「会話するやうに」と表現した。確かに、山野で出会った人と鹿は、互いに言葉こそ交わさないが、目と目を合わせて会話したともいえる。『俳句四季』2024年12月号。


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